今まで用語説明のなかで、より検索の上位に表示されやすくする、検索結果で目立ちやすくする等によってサイトを訪問してくれるユーザー数を増やすために何を考えないといけないかについて述べてきました(用語説明:ファビコンSEOリッチスニペット)。また、より多くのユーザーが見やすい、または使いやすいための考え方について述べてきました(用語説明:レスポンシブウェブデザインモバイルファースト)。

 様々な施策をどのように行えばより効果がでるのか、また実施した施策の結果どのような変化があったのかは非常に気になるところであり、押さえておかなければならないポイントのひとつとなります。
 今回は、そのために重要なアクセス解析とは何かについて見ていくことにしましょう。

アクセス解析とは

 アクセス解析とは、WEBサイトの運営者が訪問者(ユーザ)の訪問履歴(属性・行動)を解析すること、またはその機能のことをいいます。アクセスログ解析ともいい、webサイトへのユーザの様々な主にwebページへのアクセス手段を収集・解析します。

 アクセス解析の手法は3つあります。
 ・ウェブサーバのログを集計するサーバログ形式
 ・タグ、ビーコン、クリアジフと呼ばれる透明な画像に見せたプログラムCGI・JavaScriptを、サービス提供者からレンタルしてから、HTMLタグを貼り付けて機能するウェブビーコン方式
 ・ネットワーク上のパケットを取得(キャプチャ)してつなぎ合わせてアクセスログを生成するパケットキャプチャ方式
 一般的には、(Google Analytics)を筆頭とするウェブビーコン方式が採用されていますが、サーバログ方式やパケットキャプチャー方式のようにHTMLタグが必要ないサービスもあります。

 アクセス解析の主な機能は以下の通りとなります。
 ・訪問者のリンク元URLをリファラから解析。
 ・訪問者の使用した検索エンジンおよび検索ワードを解析。
 ・訪問者の使用したOS・ブラウザ・画面解像度・色深度・解像度及び発色数を含めた複合統計などを解析。
 ・訪問者がアクセスした時間帯・何秒間、何分間アクセスしたかなどを解析。
 ・訪問者の詳細なアクセス状況を解析(生ログ)。     (引用:ウィキペディア - アクセス解析

アクセス解析の目的

 アクセス解析で得たデータはあくまで「過去の実績」です。ここで得られたデータを分析し、ユーザーの行動・特性更には潜在的なニーズを把握し、webサイトの問題・課題を解決し、改善へとつなげることではじめてこれらのデータは「生きて」くるのです。次に上げるような目的を明確にした上で、これらのデータを活用することが大切です。

サイト現状の把握(データの視覚化)

 訪問者数(アクセスユーザ数)、閲覧ページ数(ページビュー:PV)、ユニークユーザ数(UU)などのサイトアクセスに関する情報を記録・集計することで、どのようなユーザが訪問し、どのページを閲覧しているか、また、どのようなキーワードで流入しているかなどを可視化し、そこからユーザーの行動把握さらには潜在的なニーズや行動予測をたて、サイトのや戦略の改善につなげていくことができます。

施策の効果の検証

 商品購入などのゴール設定に対して、ユーザのサイト内の行動履歴、経路分析などの結果から、実施した施策や改善策の効果を検証することが可能です。

アクセス解析で押さえておきたい指標

以下に、アクセス解析で押さえておきたい指標とその意味について記載します。
 

アクセス数

UU数
ユーザー数 または
ユニークユーザー数

Webサイトを訪れたユーザーのうち重複を除いた値。
1日に同じユーザーが複数回サイトを訪問しても、ユーザー数は1とカウントされます。

PV数
ページビュー数

Webサイト内のページが表示された総回数。
UU数と違い、同ユーザーがサイトを訪れて3つの記事ページを閲覧した場合、PV数は3とカウントされます。
前の記事を再度読むためにブラウザの「戻る」ボタンを押した場合も再度PVとしてカウントされます。
セッション数 ユーザーがWebサイトに流入してから離脱するまでの流れを一回としてカウント。
離脱したユーザーが一定時間を経てサイトに再訪問した場合や、参照元が変更されたときなどは再度新規セッションとしてカウントされます。

滞在時間

Webサイトに訪れたユーザーが、サイト内に留まる時間。

回遊率

Webサイトに訪れたユーザーが同サイト内の他のページを読んで回ることを「回遊」といい、1ユーザーがどれだけのページを見て回ったかを示します。
回遊率=PV数÷セッション数

直帰率

ユーザーが最初に訪れたページを見た後に、その他のページに遷移せずそのままサイトを離脱することを「直帰」といい、その割合を示します。
直帰率=直帰したセッション数÷全セッション数

離脱率

サイトを離脱したユーザーの割合を示す指標です。
離脱率=離脱したセッション数÷全PV数

コンバージョン率(CVR)

コンバージョンとは、Webサイトにおける「目標」のことでサイトに訪れたユーザーにとってもらいたい行動の達成率を示します。
コンバージョン率=コンバージョン数(CV数)÷セッション数
 例えば、ページごとの滞在時間を計測・比較することで、どのページに人気があるのかまたはないのかが把握できます。
 直帰率が高い場合は、ページの内容がユーザーのニーズにマッチしていないか、そのページ以外に必要な情報がないことなどが考えられます。
 ECサイトで、購入完了画面まで行かないで離脱率が高い場合は何らかの対策(商品の見直し、サイトの見やすさ・操作性、購入手続きの問題など)を講じる必要があります。
 サイトの運用や目的によって、必要なデータを収集し、可視化することでより良い運営につなげていくことが大切となってきます。

Googleの提供するアクセス解析ツール

 アクセス解析を行うためのツールは有料・無料で数多くあり、どれを使えばいいのか迷う場合も多いかと思います。
 そんなときは、Googleアナリティクスから始めてみるのもいいかもしれません。

 Googleアナリティクスは、Googleが公式に提供しているアクセス解析ツールで、無料プランでも高機能であるため、多くの企業で活用されています(機能に寄っては有料プランとなります)。Googleアナリティクスでは、「ユーザー属性」「集客(流入経路)」「ユーザーの行動」「CV」の4つに関するデータを解析することができます。
 また、サーチコンソールなどGoogleが提供する他のツールと連携できるというメリットもあります。

 Googleサーチコンソールも、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールですが、アナリティクスがサイト訪問後のユーザーの行動を可視化できるのに対し、サイト訪問前の行動把握やSEOの効果検証(たとえば、検索キーワード・トラフィックなどのデータ解析)が可能です。

まとめ

 人間は、自分のことは自分が一番わかっている、すでによく知っているという人もいるかもしれませんが、実際にはそうでない場合が多々あります。自分を知るためには、自分の奥底にある本心と向き合わなければなりません。そうして見えてきた長所や短所と向かい合うことで成長し、幸せを追求することができます。
 webサイトも同様にデータを視覚化することで現状の把握を行い、問題を把握し、明確な目標をたて、改善につなげていくことでサイトを成長させていきましょう。