せっかくコーポレートサイトやECサイトを作ったのに検索の上位にあたらない、サイトを訪問してくれるユーザー数が伸びないなどといったことはありませんか。こういった悩みを何とかしたいと思ったとき考えなければならないことのひとつにSEO対策があげられます。
 今回はSEOについてみていきましょう。




SEOとは

 SEOとは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、インターネット上の自然検索(ナチュラル検索)において上位に表示されるよう、webサイトの構成や内容などを調整すること、またはその手法の総称をいいます。

 1990年代半ば、検索エンジンの登場によって自サイトへのアクセスが増加した多くのWEBページ所有者は、すぐに検索エンジンの価値を評価するようになりました。SEOの考え方はここから始まり、サイト所有者の多くは検索エンジン所定の方式にのっとり、よりクローラ(Crawler)に親和性の高いウェブページを目指してサイトの変更を始めました。
 まもなく検索エンジン最適化を行う会社も現れ、検索エンジンの内部論理アルゴリズムの分析・探究が促進されるようになりましたが、どんな手を使ってでも顧客のためにアクセス数を増やそうとする良心的でないSEO企業もあらわれるようになり、YahooやGoogleなどの検索エンジン運営会社は、不適切な検索エンジン最適化に分類されるテクニックによる操作を除去するように企図するなどの攻防が続きました。           引用:ウィキペディア

 SEO対策という用語もよく使われますが、「検索エンジン最適化の対策」ということですから、インターネット上の自然検索(ナチュラル検索)において上位に表示されるよう、webサイトの構成や内容などを調整する具体的な施策ということになります。

 しかしながら、SEOの真の目的は検索順位を上げることではありません。検索結果の上位に表示されることによりサイトへの流入数を増やし、流入したユーザーがどのような目的でサイトを閲覧しているかを読み取り、ニーズを満たすコンテンツを作成したり目的ページへの遷移がしやすい構成などをサイトに反映させるなど、CRO(コンバージョン率最適化)によりビジネスの成長に繋げていくことが本質的な目的となります。

Googleの考え方 / 検索順位が決まる仕組み

 現在、日本ではGoogleとYahoo!の2つの検索エンジンが市場の9割近くを占めています(Statcounter 2021年11月データ参照)。Yahoo!はGoogleの検索アルゴリズムを利用しているため、検索エンジン最適化を考える際にはGoogleの考え方や検索順位が決まる仕組みを理解しておくことがとても重要となります。

Googleが掲げる10の事実

 Google の考え方で重要視されるのは下記に示す「Googleが掲げる10の事実」です。特に最初の4つの項目についてはSEOをGoogleの考え方に近づけるために重要なため、詳細まで記載します。

1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
 Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。

2.1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
 Google は検索を行う会社です。検索問題を解決することだけに焦点を置いた世界最大級の研究グループを有する Google は、自分たちにできることが何か、それをもっとうまくやるにはどうすればいいかを知っています。複雑な問題も反復に反復を重ねて解決し、すでに膨大なユーザーが情報をすばやくシームレスに検索できているサービスに対しても、絶え間ない改善を続けています。検索分野で培った技術は、Gmail、Google マップなどの新しいサービスにも応用されています。Google では、他の分野でも検索技術を活用することで、ユーザーが生活のあらゆる面においてさまざまな情報にアクセスして利用できるよう努力を続けています。

3.遅いより速いほうがいい。
 Google は、ユーザーの貴重な時間を無駄にせず、必要とする情報をウェブ検索で瞬時に提供したいと考えています。自社のウェブサイトにユーザーが留まる時間をできるだけ短くすることを目標にしている会社は、世界中でもおそらく Google だけでしょう。Google は、Google のサイトのページから余計なビットやバイトを削ぎ落とし、サーバー環境の効率を向上させることで、自己の持つスピード記録を何度も塗り替えてきました。検索結果の平均応答時間は 1 秒足らずです。Google が新しいサービスをリリースするときには、常にスピードを念頭に置いています。モバイルアプリをリリースするときも、新時代のウェブにふさわしい高速ブラウザの Google Chrome をリリースするときも同じです。今後も、さらなるスピードアップを目指して努力を続けていきます。

4.ウェブ上の民主主義は機能する。
 Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。また Google では、多くのプログラマーの力の結集によって技術革新が進むオープンソース ソフトウェア開発にも力を入れています。

5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7.世の中にはまだまだ情報があふれている。
8.情報のニーズはすべての国境を越える。
9.スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10.「すばらしい」では足りない。   
                               (引用:Google が掲げる 10 の事実
すなはち、
〇ユーザーに役立つコンテンツ
〇コンテンツの品質を高める
〇目的のコンテンツに早く辿り着ける
〇リンクが集まりやすいコンテンツ
を意識し、内部リンクや外部リンクを考慮した利便性の高いサイトの運用を考えることが重要となってきます。

Googleが重要視する評価基準 E-A-T

 Googleは172ページにわたる「検索品質評価ガイドライン」を定めており、特にE-A-Tを重視しています。             (引用:General Guidelines)
 E-A-Tとは、
  Expertise(専門性)
  Authoritativeness(権威性)
  Trustworthiness(信頼性)
の頭文字を取ったものです。また、YMYL(Your Money or Your Life=お金やその人の生活や人生に関わるコンテンツ)においては特にE-A-Tが重視されます。したがって、これらE-A-Tの要素を取り入れることにより質の高いコンテンツとして評価されやすくなります。

Googleの検索順位が決まる仕組み

Google 検索は基本的に次の 3 段階で行われます。
1.クロール
 クローラーと呼ばれるロボット(自動プログラム)がウェブを検索し、サイト情報を収集します(主に既知のページからリンクをたどる方法を使用)。
2.インデックス登録
 クロールによって検出したページにアクセスし、各ページの内容を分析して得た情報をデータベースに保存(インデックス)します。
3.検索結果の表示
 Googleが定める200以上ものアルゴリズムに沿ってサイトを評価し順位を決定、検索結果に表示させます。

必要なSEO施策

 検索エンジン用にサイトを最適化するために、Google ではサイトの内容を理解できるようにし、適切なユーザーにサイトを見つけてもらえるようにするための短いヒントを紹介しています。
・わかりやすい説明を記載する
・完全な情報を提供する
・話題性を考慮する
・サイトを最新の状態に保つ
・テキストを使用する
・紹介してもらう
・サイトを改善したいのに時間がない                            (引用:検索エンジン用にサイトを最適化する)

 これらをもとに考慮されるSEO対策は、大きく、内部施策、外部施策、コンテンツの作成の3つに分かれます。
 内部施策は、例えば、HTMLを最適化(タイトルタグやメタディスクリプションタグの設定、キーワードの設定、構造化データのマークアップなど)、内部リンク構造の最適化、URLの正規化、ページスピードを改善、ユーザビリティの向上などが該当します。HTMLの最適化は、このコラムでも以前紹介したリッチスニペットの表示の確率を高めることにもつながります。

 外部施策は、他のサイトからのリンクを獲得することで、そのためにSNSや広告、プレスリリースなどの外部サービスを通じてコンテンツを宣伝したり、コンテンツの品質を上げて検索での露出を増やし、ブランディングを促進したりします。

 コンテンツの作成は、検索ユーザーのニーズ(検索意図)やE-A-Tを考慮することが重要となり、キーワードマップを活用したサイト設計、サイト設計に基づいた適切なカテゴリー分け、SEOライティングを考慮したWebライティング、テキスト文章と関連性のある良質な画像(SEOに効果的な画像)の挿入などを行うことにより、良質なコンテンツを作成し、サイトの品質を高めることです。

SEOのメリット・デメリット

 Googleは全ての年間検索回数を公開はしていませんが、米メディアのSearch Engine Landが2016年のGoogle検索回数を推計したところによると、年間2兆回、1日あたり54億回を超える検索が行われています。                             引用:Search Engine Land
 検索順位の上位に表示されるSEOは非常に魅力的に思えますが、メリットとデメリットがあることを理解したうえで取組むことが必要です。
 

SEOのメリット

〇効率の良い集客
 インターネットの普及により多くの情報があふれる中、自分の探したいものを検索するユーザーの多くは、検索結果上位に表示されているサイトにアクセスする傾向があります。したがって、上位に表示させることは、何らかの目的を持って情報を探しているユーザーと接触できる効率の良い集客方法となります。 
〇費用対効果
 SEOは費用が発生しないため、適切な対策ができれば膨大な広告費用をかけなくてもコンバージョンにつながるユーザーのアクセスを得ることができます。
〇サイトへの中長期的アクセスの継続
 SEO対策目的で作成したコンテンツは半永久的に残るため顧客アプローチのための資産として活用することができます。また、サイト内に良質なコンテンツを増やしていけばサイト全体のSEO評価が上がるという効果も期待されます。

SEOのデメリット

〇成果が出るまでに時間がかかる
 SEOはすぐに目に見える成果が出るわけではありません。その為、短期間でコンバージョンを獲得したい場合には不向きと言えます。
〇検索サイトのアルゴリズムの変更による順位変動
 Googleの検索結果の順位はアルゴリズムに沿って決められており、そのアルゴリズムは定期的にアップデートされています。詳細はブラックボックスです。アップデートやアルゴリズムの変更によって、上位表示されていたキーワードの順位が落ちてしまうこともあります。
〇キーワードなどの難易度
 業種や業態によっては、キーワードによって上位表示させる難易度が非常に高い場合があります。また、今までにない新商品や新サービスの場合、検索されるキーワード自体もはじめは存在しないため、普及して検索市場が成長するまでは効果は期待できません。
〇人的リソース
 SEOの対策には、検索エンジン最適化には、適切なキーワードをタイトルやページ先頭に持ってくる手法や、検索エンジンスパムを使う手法まで、多様な手法が用いられますが、緻密に行うにはコンテンツ制作など人的コストがかかります。


まとめ

 検索エンジンのアルゴリズムは、200を超える指標を基にしランキングを決定していますが、Googleが公表しているものと公表していないもものがあります。したがって、SEOを考えるときには、まず、Googleの考え方を理解することが重要になってきます。また、考え方を理解してSEOの施策を講じたとしても、一朝一夕に効果があるものでもありません。Googleの方向性に合ったサイト制作し、運営を地道に続けることによっておのずとSEO評価を受け順位のアップが見込めるようになるでしょう。それでもSEO対策を適切に行うには、Webの知識、分析に基づく戦略などある程度専門的な分野になってきますので、専門家に任せるのも一つの手です。
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