広告市場の中で急成長・主流となっているWeb広告には、様々な種類があることを前記事で簡単に記載しました。
 2020年の日本のWeb広告媒体費は2.2兆円規模、総広告費全体の36.2%の市場となっています。広告制作費などを除いたWeb広告媒体費は、1兆7,567億円で、そのうちリスティング広告(検索連動型広告)が38.6%を占めています。次いでディスプレイ広告が32.6%となっており、あわせると全体の7割を占めています。(引用:電通「2020年 日本の広告費」、D2C・CCI・電通3社共同リリース)
 今回はこの代表的なリスティング広告についてもう少し詳しくみていくことにしましょう。

リスティング広告とは

 リスティング広告はインターネット広告の一種で、検索エンジンで一般ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を検索結果画面にテキスト形式で表示する広告の事で、広告がクリックされると費用が発生します。
「検索連動型広告」「検索キーワード連動型広告」、「検索広告」、「検索キーワード広告」、またはクリック毎に広告主に費用が課金されること(クリック課金(PPC:Pay Per Click))からP4P(Pay for Performance)などとも呼ばれています(厳密にはこれらの単語の意味は異なりますが、多くの場合、同義語として扱われています)。

 日本の検索エンジン市場シェアは、2022年1月時点でGoogleが77.12%、Yahoo!が17.95%と全体の95%を占めるため、両者の広告が代表的とされています。(引用:statcounter 国内の検索エンジンシェア
 自然検索は広告費用は発生しませんが、検索エンジンのアルゴリズムによって検索結果が表示されるため、上位に表示させるためには一般的に時間やSEO対策が必要になります。一方、リスティング広告は、広告費をかければ高い確率で検索結果の上部に表示させることが可能で、集客施策としては即効性があります。

リスティング広告のしくみ

リスティング広告の主な流れは下記の通りです。
1.登録
 広告主が「キーワード」と「広告内容」を登録
2.価格の決定
 オークション形式でキーワードごとにクリック単価(価格)が決定
3.検索時の表示
 登録された「キーワード」に一致する(あるいは関連する)キーワードが検索されると、検索結果に「広告内容」を表示
 ※表示のみでは、料金は発生しない(月額料金は除く)
4.広告掲載順位
 入札単価だけでなく、広告・LPの品質など他の要素も加味され決定される
5.報酬の支払い
 クリックに応じて料金が発生し、広告主に料金が発生

※4.の掲載順位については、Googleでは広告ランクという指標によってページ上の広告の掲載順位が決まります。
  広告ランクの主な構成要素は、入札単価、広告とウェブサイトの品質、広告ランクの最低基準、ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)、広告表示オプションやその他の広告フォーマットによる効果の予想などです。掲載順位を高めるには、品質、入札単価、あるいはその両方を合わせた総合力で他社に勝つ必要があります。 (引用:Google広告-広告オークション

リスティング広告のメリット・デメリット

リスティング広告の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

リスティング広告のメリット

・少額で始められる
・検索結果画面に確実に表示される
・キーワード設定によりニーズのあるユーザーに配信可能
・即効性があり、効果の検証が容易
・状況に応じて細かい調整や修正が可能

リスティング広告のデメリット

・運用に知識が必要
・認知広告には不向き
・競合他社との競争が激しい
・広告慣れしているユーザーや広告を避けるユーザーが一定数存在
・運用に手間や時間がかかる

ターゲット 設定

 リスティング広告を運用するには、誰に対して広告を配信するのか、ターゲットを明確にしておくことが大切になってきます。 
 広告を受け取る人(消費者層)の事をオーディエンス(audience)といい、特定の広告またはメッセージの配信先として識別される、所定のターゲット市場内の特定の消費者グループのことをターゲットオーディエンス(target audience)といいますが、さらに、ターゲットをより深く、詳細に人物像を設定することをペルソナ(Persona)といいます。
 例えば、ターゲットは「30代女性で既婚者」であれば、それをさらに具体的に落とし込んで「30代女性で既婚者、関西在住、会社員、未就学児がいる……」といった具合にペルソナを設定していくのです。
 広告も「どう見せたいか」ではなく「どのように見せれば消費者の心に響くか」というように、ペルソナの趣向に基づいた戦略を考えることでより効果的な運用ができることとなるでしょう。
 ただし、ペルソナは、ターゲット選定のあたりをつけるためや細かく絞り込みをしたい場合など用途によって色々設定が可能なため、目的や用途によって使い分けることが必要になってきますのでご注意ください。

まとめ

 リスティング広告(検索連動型広告)は、広く周知させるための広告ではなく、①認知が進んでいて②特定のターゲットの費用対効果が高く③商品単価が高く④繰り返し購入が見込める商品と相性が良い広告です。とはいえ、キーワードの選定や運用には知識や経験が必要となってきますので、思った以上の効果を得られない場合もあるかもしれません。弊社でも、確かな分析に基づいてWeb広告運用のお手伝いをさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。→こちら