2007年に、日本語を勉強し始めて、10年間以上の付き合いになってきている。翻訳作業はそのうち、7年間ぐらいはやってきている。ここで和英翻訳について自分の感想を入れながら、その現状と難点を見ていきたい。
早速だが、
まだまだ感
10年間前から、近い内に和英翻訳が楽勝になるんじゃないかと思ってきている。自動翻訳はガンガンレベルアップして、もう立派なツールになってきている。しかしまだまだという感じだな。最終的には、人間のスペシャリストが翻訳を訂正しないとダメなケースが多い。
言葉の流れと変化と、翻訳の難しさ
英語の言葉が日本に入って、その意味が変化する現象がある。例えば、live という言葉がある。英語では少なくとも三つの意味がある。
live = 「生きる」という意味 (動詞)
又は
live = 「住む」という意味 (動詞)
又は
live = 「(動物が)生きている」という意味 (形容詞)
そしてこれ以外でもある。その一つは、「生放送」と似て、パフォーマンスをするような意味の live だ。この live が「ライブ」と言って、意味が狭くなって音楽のコンサートだけを指す事になった。
すぐわかった人もいるかもしれないが、意味だけでなく、文法的にも変化があった。「ライブ」というのは名詞だ。
しかし、意味が変化してすぐは伝わらない事に気づかず、よく利用される。例文として:
I had live in Osaka last month (先月大阪でライブやった)
この英文をみて、上記のどちらの live を意味しているかはまず悩む。文法かスペルのミスと、多分「住む」という意味だなと思う人が多い。しかしこれでもセンスがなく、悩み続ける。これは賢い人間の場合だ。
自動翻訳でこの live を翻訳しようとすると、機械は統計に頼るしかない。つまり、この言葉がここに出てきていると、どちらの意味は確率が高いかを計算するだけだ。皮肉な事で、人間と同じ判断になる。「住む」という意味だろう、と。
これはたった一つの例だ。こう変化した英語が多い。ただでさえ難しい翻訳はこれではさらに。。。つまり、人間でも理解しにくいケースがあって、本当に迷うんだ。
よく怖がらないな
今まで見てきた和英翻訳の中には、読めないくらいヒドイ訳がいっぱいある。言う必要はないけど、ネットがほとんど。いつも思う事は、「よく怖がらないね、作った人」。ネットだから世界中に発信しているし、だれでも見えるし、こんな乱れている英訳はダメだろうと思いながら、次々と見つける。
実は少しでも英語ページをサイトに入れると、それこそが自社のPRになる。見る外国人に「あっ、こういう会社・店・プロジェクト・商品だ」という印象を与えるべきだが、逆効果で混乱させてしまう。当然、イメージダウンだ。
ネットという舞台に立っている言語が、ちゃんと形になっていないとすぐばれてしまうけど、一流企業以外それを真面目に受け止めている人の数が少ない感じだ。
次回、和英翻訳の具体的な注意点に取り組んでみる。
ライターについて:
言語やマスコミを分析するのが大好きなヘンリクソンさんがガイドに。シアトル出身のアメリカ人だ。